No.13:遠く...
「スゥ...スゥ...」
寝転ぶ彼は、何時の間にか僕の膝に頭を預け眠っていた。
今週も仕事で目の下に隈を作っていたから、打ち上げだと何時も以上に酒を飲んでいたから、仕方ないだろう。
「......」
気持ちよさそうに寝息をたてる彼の髪を、梳かす様に撫でる。
すると、手に擦り寄る様に頭を動かしてきた。
...本当、僕の気持ちも知らないで、随分呑気なものだよね
「...遠いなぁ...」
触れられる程近くに居るのに、彼の心が何処までも遠い
想いを知るまでは、そんなこと無かったのに
「......」
頭を撫でる手は、止めないまま。
彼が起きるまで、こうして触れていることにする
何時か、彼の心を堕として、触れ合えるようになりますようにと願いながら
2/8/2025, 10:33:07 AM