「追い風」冬の、乾いた強い風が背中から突撃してきたから、ちょっとだけよろけた。ぎゃあって、可愛くない悲鳴をあげたのは、軽やかに前を跳ねていた君。「やだやだやだっ、ムリムリ!」わー!って今度は前から君が突撃してきた。「ふぅ、避難完了」風にかき混ぜられた髪を整えながら、やけに真面目な顔。「もしもーし? 風よけにしないでくださーい?」「え〜……へへっ」へへっじゃないが。(了)
1/8/2025, 9:23:07 AM