君と歩いた道
空を見あげるともう少しで満月になる月が真っ直ぐこちらを見ていた。
アカシアの香りが夜の静けさの中充満している。
月明かりはあの頃と同じ様にふんわりとそれでも、しっかりと道を照らしている。
何年も過ぎたのにあの道は今も同じ様に月明かりに照らされて、静かにずーと待っている。
あなたの大きな手にしっかり握られ、ただひたすらついて行った夜。
後戻りは出来ず、未来もない私達。
何処へも行けず、月夜の道を彷徨い
思い出したように突然思いっきり抱き締めてくれた。
貴方と歩いた道は今、アカシアの香りが漂い、ひとりぼっちの私を誘っている。
貴方の香りが私を狂わす…。
未練を残して逝ってしまった貴方
追いかけることも出来ない薄情な私。
今夜も1人君と歩いた道を往く。
6/8/2025, 3:00:16 PM