もうすぐ寒い冬が来る。
吐息を吐く。その息は白くて雪みたいだった。冬でも可愛く
ある為に。コート、マフラー、手袋。全て女の子っぽいものに変えて。貴方に少しでも可愛いって思ってもらえるように。
でも、私は冬が嫌いだ。冬は寂しい。貴方との距離がまるで冬の寒さと比例するように遠くなる気がしたから。
そして、貴方とのお別れが近づいているから。
寒くて寂しい。私の"冬"のイメージはこんなもんだ。
冬に向けて心の準備をしとかないと。そして身体も。
私は昔から、身体が弱かった。冬は寒くて、外に出るとすぐ
風邪をひいてしまう。だから私の両親は必要以上に上着を
着せたがる。そして冬はあまり外に出させてくれない。だからみんなと雪で遊ぶとかなんてことはした事がなかった。皆の
楽しそうな声を聞いていることしか出来なかった。いつも身体が弱いからと言われたけど寂しかった。いつも"独り"だから。
それでも貴方は私に冬の暖かさをくれたんだ。
「貴方は身体が弱いんですから。はい、僕の上着です。僕は
身体が強いので心配しないでください。それより自分の身体
大事にしてください。」
そうして自分の上着を着せる。暖かい。貴方の温もりが
かすかに残っていて。嬉しかった。貴方は微笑む。
「それじゃ、僕は行きますね。その上着、僕から貴方が冬を
楽しんでもらえるようにするプレゼントです。笑」
えっ…?私の心の中を読んだのだろうか?初めて気付いてくれた私の気持ち。
貴方と出会った初めての冬。
"初めて差し伸べられた冬のぎこちなくも温かい手に、
堪えきれず溢れ出した感情は、行き場を見つけられぬまま
やがて雪と一緒に溶けて消えていった___"
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11/17/2025, 10:38:34 AM