文字が届いた。綺麗に梱包されて。
だから僕には活字が見えて、それが夜を踊り明かして、身体中をくすぐってくる夢を見る。
だから僕は、笑いながらも少しだけ腹が立ち、送り主は誰だとダンボールを見やる。
びりびりに破かれた紙切れをなんとか組み合わせて、あなたの名前を見つける。
ああお前かと、僕はひそやかに笑う。
届けられた活字たちを、小さなメモ帳に糊で貼り付ける。そうすると、紙面を柔らかな枕に見立てて、それらは眠りについた。
自分たちをくすぐってくる人間の夢を見ながら、眠っている。僕はメモ帳を閉じて、彼らに毛布をかけてあげる。
それを見届けたら、僕は椅子に座って、机と向き合う。
机の中を漁って、小さな付箋を取り出す。無論、付箋がなかったら自由帳にするだろうし、それもなければ、活字たちを叩き起すことになるが、メモ帳を開く。
とにかくそうやって、貧相な万年筆を取り出して、億年の想いを紙に打ち明ける。
終わったら、宛名を書いて、封筒に詰めて、郵便局に行く。
寒々と吹雪く冬の風を額に受けながら歩いて、意気揚々と郵便局に行く。
そうして、受付の人に封筒を渡して、言う。
大事な人に届けるんです。
あなたに向けられた活字は、あなたにどんな悪戯をするのか。
僕には知るよしがない。
お題 : あなたに届けたい
1/30/2026, 3:22:48 PM