星座…(゜゜)フム…スキナモチーフ…ドウシヨウ
星座の本をちょいと見てみよう。
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秋の星座探しには、カシオペヤ座を見つけるところから始まる。
カシオペヤ座の高い方の頂きにある星と真ん中の星を繋ぎ、その線を頂きの先へ伸ばすと2等星(アンドロメダ座の頭の星)が見つかる。次に、今見つけた星と同じくらいの明るさの星を3個見つけると「秋の四辺形」になる。
カシオペヤ座は、古代ギリシアの伝承に登場するエチオピアの王妃カッシオペイアがモチーフと言われているが、「秋の四辺形」を見つける案内人でもあるわけだ。
「カシオペヤ」という語感で「案内人」というと、私はミヒャエル・エンデの「モモ」を思い出す。
もっとも、モモに於いては「※カシオペイア」という名の「カメ(亀)」であるが…。
ただのカメではない。
モモを時間の国へ導くナビゲーターであり、重要な気付きを与えてくれるキャラクターでもある。
時間泥棒たちが迫りくる緊迫した追跡劇の中にあっても、自身の背中に文字を浮かび上がらせ、モモと対話するやりとりはホッコリしてしまう。
緊迫感の中にある安心感の原因は、カシオペイアが持つある特殊能力が関わっているからなのだが──。
ここの一連の流れは拍手したくなるほど素敵なので、未読な方は是非、物語を読んでいただきたい。
安全に守られるとは、こういうことなのかもしれないと感じられるのでオススメだ。
カシオペイアのナビゲートによって、モモは時間の国へとたどり着く。
そこで時間を司るマイスター・ホラと出会い、モモは大切なものを知っていく。
「12章 モモ、時間の国につく」という章は、哲学の塊だと私は思っている。
マイスター・ホラとの問答や星の振り子が見せる美しくも、儚く、壮大なハーモニーは、児童書とは思えないほど素晴らしい哲学に富んでいる。
良質なものを子どもたちに届けたいと願う、ミヒャエル・エンデの姿がそこにはあるのかもしれない。
最近は雨が多いが、晴れた日の夜には、カシオペヤ座が空で輝いているのが見られるだろう。
星に導かれ、物語の深い哲学に辿り着く秋の夜というのも一興ではないだろうか。
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星座
※表記について気になったので調べてみると、カシオペヤ座はカシオペイア座と呼ばれていた時代があったようだ。
もしかしたら、モモのカシオペイアもカシオペヤ座から来ているのかもしれない。
10/5/2024, 1:11:56 PM