あなたは何も知らない。
私があなたの前では薬を飲まないようにしている事も。
あなたの前でだけは笑って元気に振舞っている事も。
あなたの前ではどんなにお腹が痛くても「美味しいね」って食べた事も。
倒れ込みそうなほど辛い時も、泣き叫びたい時も、あなたを抱きしめて泣きたくても、そうしなかった。
あなたは私の弱い姿を見るといつも不安そうだったから。
あなたは元気なのにどうしてと言う。
あなたの前だから元気でいられただけで、目に見えるものが全てではないわ。
尽くされてるエピソードが思い付かないとあなたは言う。
そのまま何も知らないでいて。
寂しくないとあなたは言う。
私は寂しいのにね。
何故あなたは私を好きなのですか?
私はあなたが私を好きな理由が分かりません。
きっとあなたが気付く頃には、手遅れになっているでしょうか。
私がもし「辛い」と「助けて」とあなたに縋ったら、あなたは助けてくれますか?
手を掴んで離さないでいてくれますか?
背負わせたくない私と、背負いたいあなたがいるのだとしたら、きっとそれは私が勝ってしまう。
どうかあなたを好きなまま、この世を去ることが出来ますように。
1/31/2024, 2:40:29 AM