『快晴』
快晴、雲一つない快晴だ。
——ついでに人類もいないことを除けば、心も快晴なんだが。
○○○
地球温暖化に伴い、水面が急上昇して人類の生息権は縮小した。
今や、移動に必要なのは電車や車ではなく、船やボートだ。
小島にしがみつくようにして住まう人々は、それでもなんとか上手くやっていた。
……あの台風が訪れるまでは。
千年に一度の台風。
そう後に呼称されることとなる台風は、この世の全てを剥ぎ取っていった。
様々な人間ドラマを生み出し、後には何も残さなかった。
「わふん……」
人類が居なくなったあと、犬猫しか居なくなったこの島で。
天が祝福するように、太陽の光が降り注いでいる。
——嬉しいような、寂しいような心地である。
おわり
4/14/2026, 3:56:58 AM