月凪あゆむ

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透明な涙

 今日は天気が良くない。
 店の前の花に水をやりなから、空を仰ぎ見た。
 直に、雨が降るだろうなと思いはするも、花への栄養は欠かさない。それがたとえ、ただの水道水でも。

 程無くして、雨だ。
 恵みの雨が降ってきた。

 ふと、おかしなことを思った。

 花が落とす水を「涙」としたなら、どちらの水が多く、土に善いのか。また、それはどんな味だろう、と。

 花弁は、語ることなんてない。
 落ちる水は、ただただ透明な色だ。

1/17/2025, 4:31:00 AM