小学生の頃は漫画家かイラストレーターかお菓子屋さん。中学生になったら政治家か考古学者に憧れて、高校ではぼんやりと司書か書店員になりたいと思ってて
、いつか好きな本を集めてブックカフェが出来たら、なんて考えていた。
気が付けば、そのどれにもなれず就職も見事に失敗、非正規で毎日掃除をしながら父が作った借金を返すために働く母を支える日々。
現実は厳しいけれど、分かった事は自分が掃除が好きだということ。掃除は目に見えて結果が分かるし無言でコツコツ出来るから好きだと知った。
漫画家やイラストレーターになれるような画力は無かった。政治家や考古学者になれるような粘り強さも根気も無かった。司書になれるような勤勉さも無かった。
人生百年時代の約半分。それだけ時間をかけてようやく気付いた夢の無謀と現実のままならなさ。
それでも何とか生きている。生きていけてる。
それでいいやと思えた時から、苦しくはなくなった。
こんなもんか、くらいがちょうどいい。
END
「夢と現実」
12/4/2023, 11:19:31 AM