『歴戦の猛者がいうことには』
突然だが、愛を叫ぶ人を見たことがあるだろうか。おそらく多くの人はNoと答えるだろう。
しかし、大変稀なことに私は愛を叫ぶ人を何度も見てきた。それが私の友人である。
友人は久々に会うと大抵新しい恋人ができている。学生時代でさえ頻繁に恋人が変わっていたのだから、さもありなん、といったところだろうか。恋多きことから軽薄なのかと思いきや、意外にも友人は一途でその時々の恋人を大切にしていた。
高校の文化祭、友人は恋人と模擬店を周り幸せオーラを振り撒いていた。そして、「未成年の主張」のオマージュのようなステージに自ら上がり、大声で叫んだ。
「愛してるー!」と。
お察しの方もいるだろうが、友人はこのような行動を当たり前にやってのける人物なのだ。
私には到底辿り着けない領域に至っている友人に、ある時尋ねてみた。
「どうしてそんなに愛情を伝えられる?」と。
友人の答えは実に単純だった。
「どうしてって、そりゃ言える時に言っとかなきゃ後悔するかもだから」
お題【愛を叫ぶ。】
5/12/2026, 9:29:45 AM