祈りの果て
【祈りの果て】
僕はこの絵にそう名付けた。
荒廃して、人類の文明が消え去った瓦礫と土埃の街。
中央にはまだ幼い子供が1人、弱々しい小さな両手を重ねて天に向かって祈りを捧げている。
子供の傍らには飢餓の末に亡くなった人間の亡骸が転がる。
天からは祈りに応えるように光が差し込み子供に降り注ぐ。
しかし、子供の後ろからは絶望が迫っていた。
黒い影が様子を伺っている。
鎌の刃先はあと一歩で子供の喉元にたどり着こうとしている。
祈りの果てに待つものは希望だったのか絶望だったのだろうか?
"祈り"というものがいかに不安定で不確かなのかを描いた。
11/13/2025, 10:19:01 AM