ぱう

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君からのLINE

十二月二十五日、今日は恋人と夜を過ごす人が多い日。
けれど、それは私とは遠い世界の話。
私は三日前、ずっと思いを寄せていた宏太に告白をした。
宏太とは幼馴染で、その日も一緒に買い物に行っていた。二人きりで買い物に行ったりは良くしていた。
だからこそ、宏太も私からあんな事言われるとは思いもしていなかったんだろう。
俯いていて表情は見えなかったけれど、声や仕草から驚いているのがわかった。
結局、返事は待って欲しいと言われ、そのまま帰る事になってしまった。
帰りの電車も空気は重くて、正直良い返事は期待していなかった。
だから私は、あの日の出来事を忘れたくてヤケになって今日バイトを入れた。
(あの時、告白しなければ今頃宏太と過ごせていたかもしれないのに。)
上の空の私を気にかけて、先輩が「休憩してきな」と声をかけてくれた。
ロッカールームへと行くと、私は椅子に腰をかけスマホを開いた。
すると、そこには宏太からのLINEを知らせる通知が二件。
私は震える手に力を入れながら、LINEを開いた。
『おばさんから今日バイトだって聞いた』
『終わったら少し会えないかな、迎えに行く。返信待ってるね。』
この日に、呼び出しって…。期待、しても良いのかな。
「先輩、今日早めに上がっても良いですか」
私は急いでコートを着て、さっきのLINEに返信をした。


9/15/2024, 2:34:30 PM