ほむら

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初めて彼と喧嘩をしてしまった。今までとても仲良しだった分、かなりの大喧嘩になってしまい、勢いで私は家出をしてしまった。とはいえ、行く宛てが思いつかなかった私は実家へ向かった。

「いきなりどうしたの、彼は一緒じゃないの?」
「彼と喧嘩して、しばらく会いたくない」

私を出迎えてくれたお母さんは、心配そうな顔をしながらもしばらく泊まることを許してくれた。それで頭を冷やせるならそれでいいよと、その日は久しぶりに家族で過ごした。

次の日の朝、布団から起きた私は心にぽっかり穴が空いたような気分だった。いつもなら愛しい彼が隣にいるが、家出をして実家に居るんだと思い出した瞬間、虚しさが込み上げた。あなたと最後に会った日からまだ一日しか経っていないけれど、それ程までに私に影響を与えていたんだなと改めて実感する。

「おはよう…」
「元気ないね、やっぱり寂しくなった?」

さすが母親と言うべきか、こちらの考えはお見通しだった。涙を堪えながらこくりと頷くと、ちょうど今客人が来たところだよ、と言って玄関まで私を連れて行った。

「あなたの素直な気持ちを伝えれば大丈夫だからね」

お母さんにそう言われて、私は仲直りしたいという気持ちを伝えるために玄関のドアを開けた。

テーマ「君と最後に会った日」

6/26/2024, 11:06:16 AM