不条理
ああ、なぜこんな世界に生まれてしまったんだろう。人には感情があって、その感情は複雑に絡まりあい、時にそれは人を縛りつけ、傷つける。
やりたいことも、叶えたい夢も、見るだけで、それを叶えることは許されなかった。
今日も私たちは武器を手に取る。顔も名前も知らない、同胞を殺したそいつらを葬り去るために今日も殺したくないそいつらを殺す。
銃口を相手に向けて、引き金を引く。あまりにも簡単に命を奪うその行為に何も感じなくなったのはいつ頃だろうか。
ああ、私は今何をしているんだろう。次々と命が消えていく中で、こんなにも命は軽いものだったのかと改めて疑問に思う。
生まれてきたとき、たしかに祝福されたはずなのに。生きていかなければならないのに、こんな風に命を扱って、そうしていかなければ生きていけないなんて。
敵の射撃手と目があった気がした。その手が引き金にかかるのを見届けて、空を仰ぐ。
快晴の青空の下で、願わくば次は平和な世界でありますように、そう祈って目を閉じた。
3/18/2023, 1:36:33 PM