語り部シルヴァ

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子供のように


会社の先輩にとてもクールな人がいる。
自分のだけでなく、周りの人の仕事までも
そつなくこなしてしまう。
上下どちらからも尊敬されていているキャリアウーマンだ。

俺が入社してから今までずっと助けられてて、
まだまだ先輩にはお世話になりそうだ。
そんな先輩にある日話しかけられた。
「ここの遊園地って興味あるかな?」
そう言ってスマホの画面を見せてきた。
映っていたのは有名な遊園地のホームページで、
なんでも先輩の友人にチケットを貰ったが誰
と行けばいいかわからず俺を誘ってくれたようだ。

「行ってみたいなーとは思っていたんですけど、
俺で...いや僕でいいんですか?」

「私の可愛い後輩だからね。嫌だったら別の人を誘うけど...」

「全然!ぜひ同行させてください!」

そんなやり取りをして次の休日...
予定より早く集合場所に着いてしまってドキドキしている。
先輩にも遊園地に行きたいなんて趣味があったんだ...
そんな普段の先輩とのギャップを感じていると、
遠くから先輩の声がした。

「ごめんごめん。お待たせ!」
初めて見る先輩の私服姿にドキッとさせられる。

「じゃあ行こっか!」
俺の手をグイグイ引っ張って行く先輩。
普段と違いすぎて混乱しそうな程だ...

そこから先輩とは色んなアトラクションを楽しんだ。
コーヒーカップ、ジェットコースター、観覧車...
どのアトラクションもはしゃぐ先輩は
まるで俺よりも年下のようだった。

結局夜のパレードまで先輩と遊園地を楽しんだ。
パレードを見てる時に先輩が恥ずかしそうに
「沢山はしゃいじゃった。他のみんなには内緒にしてね。」
と言うもんだから余計に意識してしまった。

女性のギャップの強さと、信頼する人との遊園地は
とても楽しいことを先輩に教えてもらった。
まさか、休日でも先輩から教えて貰うなんて
思ってもなかった。

語り部シルヴァ

10/13/2024, 11:11:38 AM