タイミング
タイミングと言えば、昔から思っていることがある。
私はコミュニケーションにもタイミングというのがあると思う。それは単に話しかけるタイミングのことではなくて。
例えば、3日前に言われた言葉を今日他の人に言われたら簡単に受け入れられたり。全く響かなかった名言がある日突然心の奥まで浸透してきたり。友人が勧めてきたアニメに数年後興味が湧いたり。
これらは必ずしも相手を軽んじている(あるいは高く評価している)ことに起因するわけではなくて、全てはタイミングなのだと私は思っている。
受け取り手側にもタイミングがある。心の準備が整ったとき、はじめてコミュニケーションが成立する。
だから私は、自分が伝える側に立つときは「これは今すぐに理解させるためのものではなく、いつか来るそのときのために材料として伝えるのだ」と意識している。「だから言ったのに!」なんてもちろん禁句だ。
書いていて思ったけれど、この発想は転生モノに活かせるだろうか。
主人公は、転生前の話を与太話として聞いていた。馬鹿げた話を考える人もいるものだな、と。しかしそんな主人公はある日、前触れもなく自身の前世の存在を現実のものとして強く認識する――。
いや、これはマジョリティと変わらないな。大抵の作品でも「あるとき突然前世の記憶に目覚めた」と説明されている印象だ。
むしろ転生ではなく、長命種の話なら……と思ったけれど、これも既にあるか。有名作品の二番煎じになってしまう。
伝える側の物語ならどうだろう。長い時間をかけて多くの人に言葉を送り、機が熟した瞬間に世界中の人が主人公の思想を理解する。精神レベルの世界征服の物語。面白くするのは難易度高そうだな。
自分の考えを作品に落とし込むって難しい。これも一種のタイミングなのだろうか。適切なときにアイデアが降ってくるようになっているのだろうか。
今回のこれは材料として残しておこう。いつか来るタイミングで今日の思考も全て自分のものにするため。
7/30/2025, 9:35:00 AM