にぼしカラフル

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エスカレーターを降りていくと、だんだん自分が無力になっていくのを感じる。ガタガタ揺れる電気の階段が下へ近づくにつれ、落下時の衝撃も薄れるからだ。手垢でぬるついたこのラバーの手すりを飛び越えて、目撃者の頭にこびりつくような選択をしたら、私が生きていた証明になるだろうか。
階下の女たちへ目をやると、彼女たちは期間限定の苺フラペチーノみたいな頬へ耐えられないといった様子で電気信号を送り、唇の端の筋肉を釣り上けた結果、頭上の私を意図せずに傷付けている。

ならないだろうな。

私は再び高度ゼロへと舞い戻り、またしばしの間、羽ばたく機会を失うのだった。

4/28/2023, 8:46:38 AM