揺れるカーテンがとあるシーンに重なった。
カーテンにくるまって
ウエディングベールみたいでしょって
「それ成田君がやる?
やるなら私でしょ性別的に」
「いいじゃんいいじゃん。
やってみたかったんだもん。
どう、花嫁に見える?」
成田君はいつも読めない。
外見はとっても整っているし
中性的って言われたらそうかもしれないけど
なんで今そしてなんで私に聞いてくるんだって
彼のことを知らないからわかんない。
「似合ってると思うよ。花嫁」
「じゃあさ、俺にプロポーズしてよ。」
冗談言わないでって思う。
綺麗な顔でそう言われたら
本気になる可能性だってゼロじゃないのに。
風がカーテンを揺らす。
日が暮れる。
オレンジ色に染まっていく成田君と私。
2人のプロポーズは
もう誰にも教えてあげられないくらい
成田君に向けた言葉になってしまった事は
彼には絶対に言えない。
─────『放課後』
10/12/2024, 11:06:20 PM