暁星

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しんと静まり返った部屋に、ひとり束の間の休息を堪能している。
特に何をするわけでもなく、ぼっーと窓を眺めている。時間の無駄遣いだなと思いつつも、この時間は私にとって最高の贅沢。
庭に咲き誇る花たちが、風に揺られている。ただ、ゆったりとした時間が流れていく。

今日の晩御飯は、何にしようかな?
冷蔵庫の中身でも確認をしようかと立ち上がり、台所へ向かう。

ガチャガチャとドアの鍵があけられて、勢いよくドアが開けられる音がした。
「ただいまー!あれ?お母さん、いるの?」
ドタドタと走ってきた息子が、嬉しそうにリビングのドアを開けて入って来る。
「おかえりなさい、ほら先に手を洗ってきなさい」
「はーい」
ランドセルをソファにぽいっと放り投げると、洗面所へ向かう為に、またバタバタと走っていく。

「さてとお腹空いた攻撃、始まるぞ」
仕方がないなぁと思いつつも、自然と笑みが溢れていた。


『嵐が来ようとも』

7/30/2023, 9:40:31 AM