「優しさだけで、きっと」
とうにひび割れた心を、あなたは必死に掻き集める
細い指を赤く染めながら
一つ一つを愛おしそうに拾い集める
薄氷の溢るるこの目に、欠片さえ寄越してはくれない
どうしてそんなに優しいの
喉から突き出る不意の刃が、何度その胸を穿っても
戦慄く爪先が、繰り返しその肌を裂いても
あなたは止まってはくれない
赤い痕を残しながら
微塵も揺らいではくれないのだから
腹いせに私は問い掛ける
どうして、どうして
枯れた草に水を与えるような真似
喉が渇いているくせに、膿んだ傷口が痛むくせに
やめてしまえばいいのに
あなたが傷付くことなんてなかった筈なのに
だからあなたが壊れた時は
同じ優しさを返そうと誓う
せっかくあなたが癒した私を、あなたの為に傷付ける
これが私の復讐、あなたが選んだ罪の形
5/2/2026, 11:57:53 AM