午前五時。
これが爽やかな目覚めならどれだけよかっただろう。
脳ミソを騙して必死に眠りにつこうとする。
身体は抗っている。疲れているはずなのに。今日も人間活動を続けなければならないのに。生命維持をしなければならないのに。
もうすぐ、ちゃんと朝になる。ちゃんとした時間がやってくる。鐘は鳴らなくとも始まりの合図がする。そんな気がする。私の頭の中にははっきり聞こえるのだ。「今日が始まる」と。
じきにちゃんとした人々が葉桜をくぐって各々の場所へとふらふら歩き出す。まだ呼吸は眠ったまま、高くなっていく太陽を背に、時間の流れの速さを感じていることだろう、きっと。
私はこれから眠りにつく。
きっと今日もよく眠れない。それでも私は眠りにつく。
少しでも人の形であるために。
4/16/2024, 8:30:44 PM