のねむ

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私の心の灯火は、多分きっと君が息を吹きかければ直ぐに消えるものなんだと思う。

君が私の隣から消えてから、結構な時間が経つ。
と、いうか君の心の灯火は多分、私が消した。
別にどうだってことは無いけれど、居れば何やかんや良いなみたいな存在だったから、少し損をした気分になった。
人間相手に損とかいうと誰かに怒られそうだけれど、もうどうだっていい。
許しを乞うとか、そういうことはしない。だって、惨めにはなりたくないから。今更罪悪感に塗れたって仕方がない。

私は実の親から、あんたはこの家系の中で一番性格が悪く、頭が悪く、顔も悪いと言われた。多分根っからの屑なのだろう。
君の心の灯火は私が消した。だから、私の心の灯火は君に消して欲しい。

「君が、私の灯火を消して欲しい」

君のお墓の前で手を合わせる。
蝋燭と線香に火をつけて、それを眺めていた。

「私、本当はあの時君が手を伸ばしたの、知ってたよ。」

屋上から飛び降りる君の綺麗な細い手を、ただ見つめていた。
手を伸ばせば届きそうだったのかは、今では思い出せないけれどただ見つめていた。

「君が飛び降りた時、多分きっと助けられた。」

けれどね、心と体は一緒じゃないんだ。
心では理解しても体が動くわけじゃない。心と体は別人なんだ。それを君は分かってない。
動かない私を見て君は裏切られたって思ったんだろう。きっとその時に君の心の灯火は消えた。私が消した。

だから、君があの時私に困った顔を見せるのではなくて、
「裏切り者」って言ってくれれば、私の心の灯火はきっと消えていた。

だから私は君のお墓の前でずっと、心の灯火を消してくれるのを待っている。心が死ねば、体は動かなくなるから。





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熱が出て、頭が動いていないのですが流石に何か投稿をと思ったんですが、こんな文ならずっと寝てた方がましだったかもしへないですね、

実の親から言われた言葉は、私が実際に言われた言葉です。
母の口癖は「ブスとバカは愛嬌で何とかしろ。」でした。確かに愛嬌があれば、何とか生きられますが、どんだけ辛くても話しかけられたら笑顔が張り付いてしまうようになりました。
難しいですね。人生は。

性格が悪い、冷たい性格だと言われます。人に興味がなく愛情があまり湧かない、人間じゃないみたいと言われました。実際はただの人見知りです。愛情はそんなに無いですが、興味はあります。記憶力がないだけで。

普通に生きるのは、難しいですね。心が死ねば、体は機能しなくなる。なのに、心は弱い。すぐに燃え尽きそうになる。
でも、まあ、それでも生きてみましょうか。
今日が上手く行かなくても、心の灯火が消えてしまっても明日つけ直してみましょうか。
明日はきっと、今日よりは良い日かもしれません。

9/2/2023, 1:20:27 PM