天坂えみる

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         『雫の聲』
方舟は水煙の中消えてしまった 貝殻は海を記憶する
幼いあの日、洞窟に隠れて雫の聲を聞いた 等間隔の落水は私の心の安寧だ 時間の存在を忘れて現実と距離を置く 遠くから『おーい』と呼ぶ声がする そう思った瞬間 私は糸巻きのように現実と距離を縮めた
来年は着れないワンピース もうすぐ潮が満ちる

4/21/2023, 3:15:36 PM