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「ユリアさんはどうして俺なんかを選んだの?」

たまの二人の休日が重なったある日、大二がユリアにそう尋ねた。
この質問はこれが初めてではなく大二の精神が不安定な時の口癖のようなもので、ユリアはそろそろうんざりしていてもおかしくはないのだが読んでいた本をパタリと閉じて大二に向かう。

「私は守る側であると同時に守られる側でもありたいの。じゃないとどちらの気持ちも分からないから。
だからね、どちら側でも居させてくれる大二がいいの。私が心の底から大切にしたいって思えるし、この人になら私の背中を預けられるって思ったから。
どちらかがどちらの手を無理に引くんじゃなく、お互い手を取り合って助け合う。
大二を選んだのはそれができるって思ったからよ」

大二はそれを聞いてぎゅうとユリアを抱きしめる。

「やっぱり俺、ユリアさんと出会えてよかった」

「私もずっとそう思ってるわ」

どうやら大二の調子は元に戻ったらしく、昼食を作るためにるんるんと鼻歌を歌いながらキッチンへと消えていった。
ユリアはその姿を愛おしそうに眺めながら、また本を開いた。

7/14/2024, 3:34:55 PM