ところにより雨
雨は好きだ。嫌な外体育は無くなるし、雨の匂いは落ち着く。傘をさすのも、ザーザーという音も好き。
雨の日は私のラッキーデーだ。
「あっ明日の予報、ところにより雨だってさ。」
「まじでー?やったぁ!」
夕食後。ソファに座る弟の隣に腰を下ろし、一緒に天気予報を見る。
「朝から降るじゃん。ラッキー!これでプールの授業無くなるわー」
「ねぇちゃんって、ほんと雨好きだよね〜。」
ガッツポーズをする私を弟は冷めた目でみる。弟よ、姉をそんな目で見るでない。
「僕さ前々から思ってたけど、この"ところにより雨"ってよくわかんなくない?」
「そぉ?別に普通じゃない??」
「ううん。わかんないよ。それで、ぼく調べたんだけどさ」
ぐっ、と弟は深刻な顔をして黙る。
「な。なによ、、」
「それがね、、 よくわかんなかった」
「………はぁ?」
さっきまでの表情は何処へやら。弟はへらへらといつものように笑っている。全く。私の弟はいつも大雑把というか、呑気というか、、呆れて思わずため息が漏れた。
そのことを次の日。学校で親友に話すと、親友もけらけらと笑った。
「そこが弟くんのいいとこじゃん。意味なんかわかんなくたって、大体伝わればいいんだよ。そんなきっちりする必要もないし。」
「えー、そういうもん?」
「そういうもん!」
変なの。窓の外では、雨が降りグラウンドに水溜りを作っていた。
今日はところにより雨
3/24/2024, 11:11:27 AM