「それ」を見た瞬間、一つの衝撃が駆け抜ける。
何気なくすれ違った人たちは、子どもと親と……彼らの両親だろうか?
それぞれがド派手なグッズを身にまといつつ、全力で施設を満喫している、そんな姿。
その光景は、親しい友人たちの輪の中であっても、まだ密かに恥じらいで丸まっていた己の背中をトンと押された気分だった。
そう、──ああ、そうだ!
むしろ今“ココ”へ訪れている者たちとは、少なからず皆が「遊びに来た」存在じゃないか。
当たり前の事実にパッと気づいてしまえば、この数時間に渡る自分の行動が一気にバカらしく思えてしまう。
非日常の思い出を作って、笑う場所なのに。
大切な時間を教えてくれた、あの横目で映り込んだ名も知らぬご家族さんには少々悪い気もするが、勝手ながらも胸の中で感謝の言葉を述べておいた。
いくつになっても、ああやって小さな子どもたちと一緒になってアトラクションを楽しめる、そんな遊び心あふれる大人になれるといいな。
そして願わくば、どうか日常へ帰る寸前まで遊び尽くして欲しいなあ、と。
【夢見る心】
4/16/2024, 1:33:59 PM