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「タイムマシーン」

突然雨が降ってきた。天気予報に裏切られ、私は急いで洗濯物を取り込んでいた。

すると、ピンポーンと玄関から音が鳴り、はぁい、と煩わしく思いながら取り込みを辞める。六畳一間の部屋を歩き、玄関の戸を開け、印鑑を押し、鍵を閉める。


「ねぇ、これ、何?」


私が受け取ったものはダンボールでも封筒でもなく、木箱だった。それもそれなりに重い。彼女は調理を続けながら、少しを背を反らし、笑いながら答えてくれた。


「あー、これね。タイムマシーンだよ。」
「タイムマシーン?今の時代に?珍しいねぇ。」
「この間やっと見つけてね。思わず買っちゃったよ。」


そう言って彼女は火を止め、棚から釘抜きを取り出した。あけよあけよ、とローテーブルに置いた木箱の釘を少しずつ抜いていく。私は残っていた洗濯物をしまい、彼女が黙々と釘を抜く姿を静かに見ていた。


秒針が円を10周した頃、ようやく釘を抜き終わり、彼女はそっとタイムマシーンを取り出す。


「うわー、こんな感じなんだ!」
「あぁ、やばい!懐かしい。」


ようやくお出ましたタイムマシーンは少し色あせていたが、それとなく機能するようで、私達はタイムマシーンを使うことにした。

二人でご飯を食べながら、それぞれのメッセージを打ち、あれやこれやと持ち寄った私物を入れ、今度は私が木箱に釘を打った。そして郵送する頃には、タイミング良く雨は止んでいた。


「じゃあ、郵送してくるから。」
「はーい、じゃあ、10年後に。」
「うん、10年後に。」


そう言って彼女はいってきます、と言った。私は手を振り、扉が閉まるのを見届ける。ガチャン、そう重い金属扉が鳴った。

1/22/2026, 1:14:44 PM