REINA

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突然の別れ


いつまでも一緒だと思っていた。
幼い頃からずっと一緒にいて、それが当たり前だったし、これからもずっと続くと思っていた。

『僕は高校は別になっちゃうけどね』

それを聞いて嘘だと思った。
なんで同じ高校じゃないの?と少し非難めいた声が出た。
小さな子供みたいに駄々をこねた感じになった。

高校も一緒だと思っていたのに。
彼が行く高校は、県内でも有数の進学校だ。
しかも寮に入るという。

下手すれば、ほとんど会えなくなるかもしれない。
そう思ったら自然と涙が出てしまっていて、
親友の腕の中で泣いていた。

彼は困った顔をしていた。
困らせたくないのに、でもそうすれば同じ高校に変更してくれるかもしれないと、一縷の望みをかけて泣きじゃくった。

でも頭は分かっている。
彼は意外と頑固なところがあるから、
考えは変わらないなと。

もうすぐ夏が終わり秋がくる。
そして冬が来て春がくれば、あっという間にお別れだ。

もう子供じゃいられないと悟った。

5/19/2024, 12:21:35 PM