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自分が辛い環境に居た時、月は月に見えた。どれ程欠けて居ようと、どれ程満ちていようと、輝きを放っては美しい玉であった。時に月に思いを馳せ、縋るように見詰めていた。
自由を手にした。月はただの光っている円に見えた。如何してあの頃はあんなただの光るだけの円に縋り、美しいと魅入って居たのか。小さな幸せは幸せの内には見付ける事が難しいらしい。
偶に今でも綺麗に見える事はあった。其れは、欠けた三日月が濃いオレンジ色に染められている時に対しての感情だった。けれど、満ちた月と同様。如何してただの欠けた月マークを相手に魅了されて居たのか。遂には分からなく成って仕舞った。
9/7/2025, 11:45:24 AM