umina*

Open App

あ、朝。
目覚めて、カーテンを開く。
光が刺したこの部屋に、今日も1人。
誰も私を見ない、私も誰かを見ない。
まるで存在を無くしたみたいだ。

今日は何をしようか?
コーヒーを入れて、パンをかじろう。
終わったら、お気に入りの服を着て、外に出ようか。
私の存在を色を彩るように。

足元に咲いた花、公園で遊ぶ子供の声、
木の葉が擦れる音、猫の鳴き声、
踏切を横切る電車。

少しばかり、私の話をしよう。
ずっと感情が何か分からなかった。
喜怒哀楽も、何もかも。
目の前で起こる全てが、画面越しに見える景色で、私はそれをじっと見つめていた。
心はずっと空っぽだった。

きっと透明人間と言っても過言じゃないほど、
他人と関わってこなかった。
語るべき変化などないけれど、画面越しに世界を見て十数年、他人は煩わしいものばかり落としていく。
そうして私は、色をつけるのは自らだと気づいた。

だから、たとえ今私が透明人間であろうとも、私は私のやり方で、毎日に彩りを与える。

さぁ、何処へ行こうか。

3/13/2025, 4:41:17 PM