「空を見上げて心に浮かんだこと」
この文章を書き始めるのは、いつも夜で、大抵、寝る前には書き終わる。場合によっては、翌日推敲して丸一日費すこともある。いま、日曜日の夜九時過ぎで、クラッシック番組のハイドンの交響曲が流れている。
空を見上げてみた。月のない夜で、強い街の灯りで、薄暗い青い空に雲が浮かんでいた。星は見えない。この街の夜空は子どもの頃のものとは違う。美しく星が瞬く空は、この地球と繋がる宇宙の広がりが感じられるが、いまは何かが大切なものを覆い隠しているみたいだ。蒸し暑い大気が満ちていて、今夜も寝苦しい夜がやって来る。
この空はにせものに違いない。本物の空を探しに行かなければいけない。空と大地とが呼応して、ひとつに繋がっている場所を求めて行こう。そうした場所に立ち、この宇宙から生まれた星の子だと伝えよう。そして魂を彼方へと飛ばすのだ。
無限とは、私の心の中に、誰かの心の中にしかない。想像のなかでしか存在できないものだ。無限と一体となれる空の下で、私は何を見つけるのだろう。
7/16/2023, 12:38:01 PM