よつば666

Open App

お題『眠れないほど』

 萌香は昼食を食べ終えてリビングから私服に着替える為2階にある自室へ向かった。
着替え終えるとベットの上に転がり––––。

萌香「少しだけ休憩したら……課題の残りしよう……」

1日目の補習で出された課題が終わらなくて、宿題になってしまったのだ。

ドアをノックする音と共に母親が御飯ができたわよと呼びに来てくれた。萌香はそれに答え、眠い目を擦りながら1階へ降りてリビングで夕食を食べている。

萌香の父親「萌香。随分眠そうだな」

萌香「……うん。あれ?今日パパ休みだっけ?」

萌香の父親「やだなぁ。パパ朝から居ただろう。見えてなかったのかい?」

萌香「えっ??えぇ……っと」

朝は、仕事に行くマミィと朝食を食べて、それから……最寄りの駅まで車で送ってくれて、その時パパはまだ……仕事で会社に、ん?家に居た?萌香は、朝の出来事を思い出しながらパパの存在を探したが会っていない。萌香の頭の中はパニックでオーバーヒート状態だ。母親は混乱しきっている萌香の様子を見て困った顔で萌香の父親を諌めた。

萌香の母親「パパ、冗談はその辺にしてあげて」

萌香の父親「悪かったよ。久しぶりに帰って来れて、一緒に食事することなかったからつい。萌香、ごめん。本当はパパさっき帰ってきたばかりなんだ」

萌香「もぅ!!パパァ〜!?」

父親の話が嘘だと知った萌香は幼い子供のように頬を膨らませた。小さい頃から父親は冗談ばかり言って困っている萌香の姿を見るのを楽しんでいた。

萌香の父親「お詫びに、面白い話をしてあげよう」

萌香「なになに?どんな話?」

萌香の父親「パパが中学生の時電車のホームにある公衆電話で実際に起きた話を……って萌香どこに行くんだ!?」

萌香は手を合わせてご馳走様と言って食べ終わった食器をキッチンの流し台へ持っていきリビングから出ようとしていた。

萌香「その話、前に聞いた。怖いお話でしょ!萌香、自分の部屋に帰る」

萌香の父親「ありゃぁ。怒らせちゃった。もぅ高校生だから平気だと思ったんだけどなぁ」

萌香の母親「無理よ。萌香、お化けや怪談話すっごく苦手なまま変わらないわ。旦那(あなた)の所為で」

萌香の父親は都市伝説や怪談話が好きで会社の人や友人、時には家族にも話ていた。そのせいで萌香は父親が苦手である。幼い頃に聞かされた怪談話で布団に入ってもなかな眠れないほど怯えたことがある。

萌香「パパの怪談話本当にヤダ。ちょっと思い出しっちゃたよぉ。明日も学校あるのに今日眠れるかな。……ん?学校!?あぁぁーーーっ!忘れてた〜!?」

萌香は課題の宿題を思い出しベットから慌てて起き上がり机に向かい、必死に宿題をするのだった。

End

12/6/2024, 8:15:35 AM