Rei

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[ラムネ瓶の中に夏]
君が持つラムネ瓶が揺れる。僕はもう空っぽなラムネ瓶を夏の日差しにかざしてみる。深い青のビー玉が綺麗に反射して海みたいだ。
白い雲がゆっくりと流れていく。
こんな毎日がずっと続くと思っていた。

時はたって僕はもう大学生になっていた。
時間の流れはあっという間だ。
休みの日、僕は君とよく行った海に1人で訪れる。元気にしてるかな。
連絡先が変わってしまった君に連絡はつかない。
でも、トーク歴を残しておきたくてそのままだ。
君がいないこと以外は変わらない風景が僕の目に映る。高校時代によく座ったベンチに一人腰掛ける。
刹那、ラムネの匂いと石鹸の匂いが鼻腔をくすぐった。
振り替えると「待たせた?」と悪戯っぽく笑う、あの時から少し大人びてピアスを着けた君がいた。
もう会えないと思ってた。諦めようと思ってたのに。
「遅い、待たせ過ぎだよバカ。」と変わらないセリフを言う。
「だからラムネ瓶、僕のと君の分買ってきた」と笑いながら変わらずに僕に渡した。

4/29/2024, 3:59:45 AM