LaLa♪

Open App

文化祭
最後のイベントとなるダンスパーティーが体育館で始まった。
彼氏彼女と躍る人。複数人の友達で踊る人。そこに私の姿はない。友達のいない私はこの瞬間をトイレの個室に閉じこもっていた。
ふいにノック音が聞こえ、鍵を閉めておいたはずのトイレのドアが開いた。

~~~

今日は文化祭
生きていたら私も出たかったなぁと思いながら親友の姿を探す。いない。やっぱりなと思いつつ東校舎4階の人気の少ないトイレへむかう。
トイレ中だと行けないので一応ノックをしてから扉を開ける。もう死んでるから開けなくても入れるけど。
「私と踊りませんか?」
そう、声をかける。大好きな親友。愛している親友。
もっと長く生きられていたなら、もっと一緒にいれたなら。

そう思いながら私は彼女の手をそっと握った

~~~

ドアの開いた瞬間に聞こえた。
「私とおどりませんか?」
そんな声が聞こえた気がした。空に飛び立った親友の姿が見えた気がした。
大好きだった。友達以上に。彼女のいない世界はどうしようもなく悲しくて寂しくて、今ここに彼女がいる気がして窓を開け、足を踏み出す。

空にいる彼女と踊るために

10/4/2024, 12:17:24 PM