《終わらせないで》
神々にとっては、たった一瞬かもしれない。
いえ、人の目から見ても刹那とも言えるこの日々。
見渡す限りを埋め尽くしていた灯火達も、今や数少なくなっている。
神々の手にあるその種火すら、尽きかけているのかもしれない。
たとえこの世界の灯火が全て消えたとしても、私はこの火を手放すつもりはない。
この明かりがあったから、私は道を外さず歩んでいけた。
一度は見失った導を、また見つけることができた。
それは長く苦しい道のりだけど、遠く見える喜びの大樹が私を導いた。
そして次の大樹へと、私を促す。
灯火さえ手放さなければ見える、微かな希望へ。
その向こうにある、暖かい手を取るために。
だから、お願い。その世界を、終わらせないで。
その種火が尽きるなら、私がこの身で守りますから。
どうか、お願い。
11/29/2024, 9:14:21 AM