木々が葉を落とし始めたこの頃、私は身の丈に合わない格好をして、木の葉の道を歩いていた。
いつもはしないメイクをして、赤いハイヒールなんかも履いちゃって、髪も焦げ茶に染めた。
次大学に行く時、どんな目で見られるんだろ。なんて思いながら、私は目的地である噴水がある広場に向かっていた。
そこには、3年くらい会えなかった親友が、私を待ってくれている。確か、留学でフランスに行くとかなんとかで、しばらくの間会えない時期が続いていたのだ。
でも、今日はそんな彼女が帰ってくる日。
広場に着いて辺りを見渡すと、そこには大きめのバッグと楽器ケースを持った彼女が、ベンチに座っているのが見えた。
そんな彼女は私に気づいたのか、大きく手を振って私に居場所を教えてくれた。
私は彼女に向かって走って、そのまま思い切りハグをした。
雲ひとつない空にただ浮かんでる太陽が、私たちを照らしてくれている。
彼女は、優しく笑ってこういった。
「今日は秋晴れだね、いい一日になりそう」
10/18/2023, 12:53:42 PM