繊細な花
彼女を初めて会った時の第一印象。
それは勝ち気な、でも華があるお嬢様だ。
綺麗なブロンドの髪の毛は腰まであり、よく手入れされている。
黙っていれば品のあるご令嬢様という感じだが、僕らのような庶民の人たちの輪の中で、段々と素が出てきたのか、表情がコロコロ変わるのが面白かった。
それでも親元から離れ、知らない土地に引っ越してきたお嬢様からすれば、心細いところもあったのだろう。
誰もいなくなった教室で泣いているところを見た。
ポロポロと涙が溢れ出る彼女を見て、初めて人が泣くのをこんなに綺麗だと思ってしまった。
慰めるべきなんだろうか?
でも泣き顔を見られるのはあまりいいものじゃないだろうと思って、静かに教室から離れた。
彼女は華やかで気の強い人かと思っていたが、
本当は繊細な人なのかもしれない。
僕だけの秘密にしておこう。
その繊細な花を遠くから、これからも見守ろうと誓いながら。
6/25/2024, 12:00:29 PM