……あぁ、まただ。
ふと重なった視線を、思わず逸らす。
いつだって真っ直ぐで、真剣で、妥協を許さないそれが、煩わしいくせに心地よくて。
その度に、なんで自分なんだろうって、不思議で仕方なくて。
けど、失いたくないって思うくらいには、大切なもので。
ーーーらしくないな。
ため息混じりに取り出した煙草を止めたのは。
「……何?」
「相変わらず、ですね」
綺麗な指先と、耳障りのいい声。
「少しは頼ってください。それとも、頼りたくないくらい軟弱者に見えますか?」
射貫くような、真っ直ぐな視線に囚われる。
ーーーあぁ、やっぱり捕まった。
どこまでも真っ直ぐな眼で”見つめられると”、全部さらけ出したくなるから、頼れないって。
いつになったら言えるんだろう。
見つめられると
3/28/2023, 2:24:58 PM