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『わぁ!』

「わぁ!」
楽しそうな声が肩越しに投げかけられて、柔らかい手が僕の瞳を覆う。
「だーれだ?」
その声といい仕草といい、想像できるのはいつも笑っているその顔だけだ。
だけど少し意地悪して、惚けてみせる。
「誰だろう?」
「もう、わかってるでしょ」
見えていなくてもその表情が思い浮かぶほどに君の声は気持ちを雄弁に伝える。
「わかってるよ」
瞳を覆う手を取って、後ろから僕を見下ろす君を見つめる。
「君しかいないよ、こんなことするの」
それが嬉しい、なんて言葉はまだ言わないまま。
頬を紅く染める君の名を呼んだ。

1/26/2025, 10:41:15 AM