時の雨

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「もうどうしたらいいのかわからないよ」

目の前でうずくまって、完全に篭ってしまった君がぽつりと呟いた。いや、呟いたというより漏れ出した、が正しいだろう。
ああ、彼女に何を言っても届かない。
僕の言葉ではどうもできない。僕では君の降らす雨をとめることができない。自分の無力さに腹が立つ。

彼女は精神を病んでしまった。理由は知らない。でも、何かただならぬことがあった事ぐらい容易に想像できる。
幼馴染で、昔から笑顔で元気だった君がこうして苦しんでいる様を見ると、こちらも胸が痛い。
救い出したいのは僕のエゴだ。
今はこれが精一杯。許して欲しい。

「明日...もし、少しでも、晴れたらでいい。出かけよう。好きなことをしよう。なんでもしてあげるから。」

君の心を晴らすために、僕の全てをあげる。


2024/08/02 #明日、もし晴れたら

8/2/2024, 7:43:36 AM