白井墓守

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『二人ぼっち』

「この世界に、二人ぼっちだね」
「うん。お前が全員食べちゃったからね」 

僕は、てへへと君に笑った。
君は呆れた顔をして僕を見ていた。

○○○

前略、地球はかくも美しい。
そして、地球人は、みな可愛らしい。

だから、食べることにした。

僕は宇宙人だ。
色んな物を食べるけど、最近は地球人に嵌っている。

地球人は素晴らしい。
手が二本も有るし、目も二つもある。まあ、足が二本しかないのはどうかと思うけど。猫や犬みたいに、あともう二本生えてたら良かったのだけど、文句は言うまい。

なにより、とても可愛い。
黒い毛のヤツや、金髪の毛のヤツ、目が緑なのと、青なのと、茶色なのと、カラフルで色があった楽しい。

僕は、食事はやっぱり見た目が大事だと思ってる。
どんなに美味しい料理でも、見た目が台無しだと、まず食べようという気がおきない。
ちなみに、僕は嗅覚は無いので、香りはよく知らん。

僕は地球人を食べた。とても食べた。
一度食べたら、その感覚が止まらなくなって、スナックを摘むように食べ続けたら……やってしまった。

人間は一人では増えないから、二人は残して置かなければならなかったのに、ついつい美味しすぎて食べてしまった。

「最後の一つだと思うと、どうにも食べるのが惜しいなぁ」
「いや、アンタが食べなくても、人類に希望なんて無いし、どっちみち老いて死ぬだけだが?」
「じゃあ、その前には食べてあげるよ」
「……うん」

今日から人間との生活がスタートした。
僕と、人間の二人ぼっち生活。

人間を飼うのなんて、はじめてだけど、命に責任をもって幸せにしよう!! よし、頑張るぞ!!


おわり

3/21/2026, 9:54:14 PM