テーマ 私だけ
「....夏だなぁ」
空を見上げて呟く。
「...裏山久しぶりに来たな」
あいつと別れた場所。
「....来たんだね(ニコッ)」
「...は?」
何で、なんで、ナんで?、ナンデ、
「ナンデ君がいるの?」
頬が濡れた。
「天空から来ちゃいました☆」
「そんなノリで来れちゃうの...」
「..まぁねぇ」
なんなんだその間は...。
君が去った日。
「ここならバレないよ!」
「..そうだね」
「大丈夫!逃げ切れるはず!」
僕たちは施設育ちだった。施設は充実した生活だった。同じ部屋に居た君とよく話していたね。
「ありがとうございました!」
僕たちは子供だったが歌と曲を披露していた。施設の人が忙しそうで、それの助けになればいいと思って歌と曲でお金を稼いだ。
「この子たちを引き取るわ」
いきなり施設に来た夫婦が言った。
「...いい?」
施設の先生が言ってくれた。
「...」
圧や視線が痛かった。
「...うん」
「..僕もいぃ」
圧に負けてしまった。
「まぁ!じゃあ早速おうちに行きましょう!」
「...ぇ」
そこはボロボロの家、中はゴミ屋敷のようだった。
「さあ、働いて」
施設の態度とは真逆の本心ダダ漏れだった。まるで化け物って言ったら殺されちゃうか。
「ありがとうございました」
歌と曲を披露してお金を稼いでるけど、もうあの醜い化け物たちにしかお金が使われていない。おまけに僕たちはあまりご飯が食べれない。介護かよ。
「もう逃げよう」
「逃げないと...」
僕たちは焦った。あんなやつに使われっぱだったらもう脳が腐ってしまう。
「...行こう」
夜の1時に出発。あの化け物たちは寝てるだろう。
「ここならバレないよ!」
「..そうだね」
安心した。はずだった。
「「「バンッ」」」
「え?」
君の頭が弾け飛んだ。
「...大丈夫ですか?」
病院のベッド。あいつはどこ?。
「すみません...」
なんで、ナンデ
「置いてかないで....」
僕だけ心が空っぽになった日。それが君がここを去った日と一緒だった。
おわり
7/18/2024, 10:30:43 AM