『青く深く』
見渡す限りの青。
キラキラと水面に映る、太陽の光。
目の前に広がる壮大な海を眺めて、何故か懐かしい気持ちになる。
前世はもしかして、なんて浅はかな考えが浮かんで消える。
海は、どこまでも青くそれでいて深く、その色が私の心を晴れやかにするのではなく、なぜか切なくさせる。
人魚姫は愛しい彼のために泡になった。
私の今のこの想いの果ても、彼女の想いと同じなのではないかと。
キラキラと水面に映る太陽の光と、青く深く続く壮大な海の中に泡となって消えたいと思った、17歳の夏だった。
6/29/2025, 11:30:06 AM