とある恋人たちの日常。

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「あっつ……」
 
 俺は空を見上げると真っ青な空が広がっていた。
 雨の季節に入ってから曇り空ばっかり見ていたので、こんな青空は久しぶりだ。
 でもその分暑い。
 
 救急隊の俺としては熱中症の患者も増えてしまうから、忙しくなっちゃうだろうけれど、天気はなんとも晴れやかだ。
 
 嵐の前の静けさだったら嫌だなあ。
 
 そんなことを考えながら、プシュッと炭酸飲料のキャップを開けて迷わずに口に含んでゴクゴクと飲む。
 喉に冷たい炭酸が流れていき、シュワシュワとした感覚が喉に気持ちいい。
 でも、たくさんは飲みきれない。
 
 ポコン。
 
 スマホから通知音が鳴る。俺はスマホを覗くと恋人からのメッセージが入っていた。
 
『暑いから熱中症に気をつけてくださいね』
 
 相変わらず俺を気遣う言葉と共に彼女から写真が送られていた。
 それは彼女の会社から見た青空の写真。
 雲ひとつない晴れやかな青。
 
 こんなにも広くて自由な空がそこにあった。
 
 俺も思わず自分の目線で空の写真を撮り、彼女に送り返す。
 
「離れていても同じ空だね、っと」
 
 広くて、自由で、キミと繋がっている空。
 
 
 
おわり
 
 
 
四〇四、空はこんなにも

6/24/2025, 1:28:15 PM