かたいなか

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楽園も多種多様、十人十色、よりどりみどり。
個人的には完全オフな自室のモフモフ毛布の中が、一番身近な楽園だと思う物書きです。
ごろんちょして、仕事もSNSも頭に入れず、身も心も完全にオフラインにして昼寝するのです。

え?ゴールデンウィーク?●連休のどこかで実施?
いや知りませんね何時のことですか
(すべて遠き楽園の以下略)
というお題回収は置いといて、今回のおはなしのはじまり、はじまり。

「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
そこには、滅んだ世界からこぼれ落ちて、生き延びてしまったいわゆる難民が、
3食おやつ付き、レジャーもリラクゼーションもレクリエーション完備で余生を過ごすための、
超広大なシェルターがありました。

原則として、滅びゆく世界に住む人々が、亡命を目的として別世界に移住することは、
それぞれの世界の文化や資源の保護等々を理由に、
よほどの特殊な事情でもない限り、許されません。
皆が自分の世界の死を理由に、他の世界に逃亡して逃亡して逃亡して……を繰り返せば、
いずれ、あっちの世界もこっちの世界も、滅亡世界の住民で、埋め尽くされてしまうのです。

ゆえに、世界線管理局は、滅亡世界から誰かがこぼれ落ちて生き延びてしまったら、
皆みんな一律に、ほぼ一切の例外なく、局内の難民シェルターへ収容するのです。

その「最終的な余生」の場となりますので
結果として管理局のシェルターは
ドチャクソに、バチクソに、間違いなく、
あらゆる尊重と自立の肯定と精神的充足と
なによりグルメが完全配備されておるので、
すなわち「楽園」も同然となっておるのです
(お題回収完了)

「故郷が滅んで、脱出艇がコントロール不能のまま動力喪失したときは、みんな絶望したよ」
1〜2年前に収容されたばかりの難民は言います。
「ここはまさしく、本当に、楽園さ。
我々が我々として生活するだけの広さも、文明もあるし、なにより『我々が在った』という歴史を、ちゃんと記録して残してくれる。

ありがたいハナシさ……
たまにヘンな部外者がピーピー暴れるけどね」

しゃーないよ。
どの楽園にだって、欠点は存在するモンだよ。
難民が大きな、長いため息を吐く視線の先で、
世界線管理局による難民の収容を「非人道的な監禁」と思っているタイプの活動家組織が、
ギャーギャー、ピーピー、騒いでおりました。

前々回、前々々回投稿分あたりに登場した、組織、
世界多様性機構の連中です。
彼等は本当に管理局が、大嫌いなのです。

「みんな!騙されるな!」
難民シェルターに勝手に乗り込んできた機構の複数名が、勝手にお立ち台など置いて、叫びます。
「ここは、楽園なんかじゃない!どこにも行けない閉鎖空間、監獄だ!
世界線管理局の連中は、あなたがたを偽物の楽園に閉じ込めて、あなたがたの自由を奪っている!」

解放せよ!
故郷を失った滅亡世界の難民たちを、まだ生きている別の世界に移住させて、
真の楽園を獲得せよ!
それが、世界多様性機構の言い分なのです。
世界多様性機構の構成員は、管理局のシェルターに閉じ込められた難民たちを救い出すために、
不定期に、ゲリラ的に、管理局に潜り込むのです。

そんなこと言ったって
それぞれの世界のエネルギーは有限なのです
(しゃーない)
滅亡世界の難民が他の世界になだれ込んだら
「その」他の世界が困窮するし、滅ぶのです
(しゃーない)

「はいはい。侵入者はこっちに来ましょうね」
最終的に機構の活動家御一行は、管理局の法務部に連れられて、ぽいちょの再進入禁止、出禁。
楽園は再度、平和を取り戻しましたとさ。

5/1/2026, 4:55:18 AM