『愛を叫ぶ。』
“貴方のこと、大嫌いでした”
それは、彼女にとって最大の愛の言葉だった。
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目を覚ました時、僕はため息をついた。
まだ死ぬ時ではなかったらしい。
妙な感覚だ。
僕は確かにあの後、気を失っていた。
だが、なぜか、今僕はベッドの上へと居る。
人間は死の間際になると火事場の馬鹿力的な何かでその危機を乗り越えようとするらしいが、まさか僕はその力をたかがベッドごときへ矛先を向けたのか?
その疑問はすぐに解消されることとなった。
目の前には世の中では輝かしい青春時代と言われる時期に友と呼んでいた人がいた。
彼は上裸で炭酸飲料を一気飲みし、少し老けたその顔は当時よりも色気があった。
対照的に、自身のやせ細った身体に痩けた顔は、とても彼の持つ健康美とはかけ離れいた。
彼は僕に気がつくと水を渡し、そのまま大きく伸びをした。
なんて無防備な姿だと再び僕はため息を漏らした。
彼はにんまりと笑えば、僕の頭をまるで犬を撫でるかのようにぐしゃぐしゃとした。
その瞬間、僕はその水を自身にかけた。
冷たさが滲み、彼は、笑った。
5/11/2026, 1:42:22 PM