【愛と平和】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
3/10 PM 5:00
「愛が欲しい」
「……天明(てんめい)ー、千颯(ちはや)が
気持ち悪いこと言い出したー」
部活が終わって、部室で着替えていると、
翼(つばさ)が俺の方へ逃げながら
言ってきた。
「気持ち悪いって何だよ!」
「いや、脈絡なく面と向かって
そんなこと言われたら怖いからね?」
淳(じゅん)が翼を庇って
千颯をたしなめる。
「ちげーよ! 翼に愛を寄越せって
言ったワケじゃねーし!」
「なんだ、びっくりさせんなよー」
「なんで急に愛が欲しいなんて言い出したの」
「そりゃ愛が足りねーからだよ。
俺だって青春を謳歌するために
彼女が欲しいんだよ!」
「部室で吠えられてもなー」
「翼の言う通りだよ。
彼女が欲しいなら、部活の見学に
来てる子たちに声かけてみるとか
すればいいんじゃないかな」
「明らかに天明目当てだろーが、
あの女子の群れは」
「……まぁ、確かに」
「あ、じゃあ、天明に星河(ほしかわ)さん
紹介して貰うとか?
気になってるんだろー?」
「宵様は彼女になって欲しいっていうより
俺の心の女王様みたいな存在だけどな」
「……悪い、千颯。どう考えても、
宵たちの平和な日常を脅かしそうで
紹介出来ない」
「……ふっ、まさか、お人好しのお前から
こんな冷酷プレイを食らうとはな……。
腕を上げてるじゃねーか、天明」
「変な褒められ方してるなー、天明」
「このメンツはある意味
平和で良かったね、天明」
「(良かったのか……?)」
3/11/2023, 9:19:13 AM