海の底にいる深海魚、あるいは蟹。
水面は遥か天の上。
彼らは、水面の上の世界のことをどう思っているのだろうか。
別世界?
捕食者が住む地獄?
彼らの世界は海の底。
海藻もプランクトンも、海底には山も海溝もある。頭の上を魚が動き回り、食べられないように警戒しながら餌を探し、交尾して子を残し、死ぬ。
それらが世界の全てで、水面の上は別世界。
私達も「空の底」に住む生き物。
頭の上の空は鳥の世界、その上の宇宙は死の世界と思っている。
大多数の人間は、「空の底」で多くの生を過ごし、宇宙に出ることはない。
もしかすると、鳥は別のことを思っているかもしれない。
もし宇宙に知性体がいるなら、大気の底をうろついている私達は、海の底の蟹と同じように見られているのかもしれない。
「見ろよ、大気の底にへばりついている生き物が、あんなに増えてるぜ。」
1/20/2024, 12:20:22 PM