送られてきた紫陽花の静脈のような色が綺麗で、暫く見蕩れていた。添えられたカードには見覚えのある彼女の字。懐かしい記憶には雨音が伴って、二人で傘の下歩いた景色がふわりと頭に像を結んだ。これが僕を想った贈り物なのだとしたら、彼女は気づいているのだろう。早く捨てなくちゃ。色が変わってしまう前に。
6/13/2023, 12:09:37 PM